今の自分は、以前より本当によく眠れているのか
「一、二年前と比べて、今の自分はよく眠れているだろうか」と自分に問いかけてみても、返ってくるのはたいてい事実ではなく感覚でしかない。今月から早めに布団に入るようにしているから、答えは当然「よく眠れている」だという気がする。逆に、ここ数日なかなか寝つけない夜が続いたから、答えは当然「よく眠れていない」だという気もする。どちらの印象も本当かもしれないが、どちらもこの問いには答えられない。なぜなら、そのどちらも「ふだん実際にどう眠れていたか」から来ているのではなく、たまたま印象に残った夜から来ているからだ。
ふつうの夜は、記憶にならない
記憶がものを残す仕組みは、対比によっている。一度も目を覚まさずに朝までぐっすり眠れた夜、何か具体的な心配事で明け方まで眠れなかった夜、旅先の静かな部屋でやけによく眠れた一週間——こうしたものが記憶に残るのは、前後の夜と何かが違っていたからだ。浅い眠りと目覚めを繰り返しただけの、これといって語ることもない普通の火曜の夜は、何も残さない。それが実際には一番多く起きているパターンだったとしても関係ない。ふつうの夜こそ、記憶が最も残せないものであり、そしてこの問いに正直に答えるために本当に必要なのは、まさにそのふつうの姿の方なのだ。
調子の悪い数日が、何か月分ものふつうの夜を上回ってしまう
直近に起きた方の極端が、たいてい議論に勝つ。ここ最近すんなり眠れる日が続いていれば、「最近よく眠れている」という感覚は当然のことのように思える。たとえその前の一か月がほとんど寝返りと時計の確認で埋まっていたとしても。逆に、何日か横になったまま眠れない夜が続けば、その前がずっと安定していたとしても、正反対の結論の方が当然に感じられる。どちらの記憶も間違っているわけではない。問題は、直近に起きた出来事の方を平均の代わりにしてしまうことだ。実際の平均は、記憶に残るほどでもない、ありふれた夜の積み重ねでできている。
変化には、たいてい明確な始まりの日がない
「今日から眠りを悪くしよう」とわざわざ決める人はほとんどいない。変化はたいてい、何か別のことにくっついて静かに入り込んでくる。通勤が長くなる仕事に変わって、夜の時間が少しずつ削られていくとか。いつからか、寝る前にスマホを眺める習慣がついてしまったとか。前より騒がしい通りに引っ越したとか。家の中の誰かの生活リズムが変わって、家全体のリズムまで引っぱられるとか。どれも「睡眠」そのものについての決断だと感じられないからこそ、就寝時間がじわじわ遅くなり、途中で目が覚める夜が増え、朝が心の準備の前にもう始まっているように感じられるようになっても、「あの日から変わった」と指させる瞬間は一つも残らない。
淡々とした記録が実際に見せてくれるもの
これを正直に確かめる唯一の方法は、記憶に尋ねるのをやめて、記録に尋ねることだ。何時間眠ったかではなく、その夜がどんなふうだったかを短い一行にして、思い出したときに書く。子どもの世話で夜中じゅうバタバタしていた、十一時前にすんなり眠れた、理由もなく夜中の三時に目が覚めていた——それだけでいい。あらかじめ夜を「良い」「悪い」に仕分ける必要はなく、いつも使っているカテゴリに、実際に起きたことをそのまま書き留めるだけでいい。数週間分をまとめて眺めてみると、パターンはたいてい自然に見えてくる。ほとんどの夜が落ち着いて記録されている時期と、途中で目が覚めた夜が何度も出てくる時期。その形は、最初に持っていた漠然とした感覚よりも、はるかにはっきりしている。
二つの時期を並べて読む
もっとも分かりやすい比較は、一週間だけを取り出して眺めることではなく、二つの時期を並べることだ。生活のリズムが変わった直後の一か月と、変わる前の一か月。あるいは今年の春と去年の春。記憶ではこの比較を公平に行えない。どちらの側も、印象に残った夜だけを覚えているという同じ癖によってならされてしまっているからだ。記録はならされていない。そこにあるのは、その結果がどちらに転ぶかまだ知らなかった人が、その時点で実際に書き残したものだ。
TimeMapは、こうした記録をあらかじめ計画しなくても残せるようにできている。その夜がどんなふうだったかを一行書き、その時間帯にいつも使っているカテゴリの色をつける——記録が十分な日数分たまったころに、二つの時期を並べて何が変わったかを見るのは、ごく自然なことになる。
「今の自分は本当によく眠れているのか」という問いに対する正直な答えは、記憶が真っ先に差し出してくる、あの自信たっぷりの「はい」でも、あの疲れきった「いいえ」でもないことが多い。答えはたいていその中間にあり、誰にもわざわざ記憶されなかった、ありふれた夜の積み重ねでできている。そして記録こそが、そのありふれた夜を十分な数だけ留めておき、本当の答えへとつなげてくれる唯一のものだ。